なぜWindowsフォームのSizeApplicationSettingsにバインドできないのか?

Windowsフォームを使う開発者として、私たちはアプリケーションの状態を維持することでユーザーエクスペリエンスを向上させる方法をしばしば模索します。ApplicationSettingsをWindowsフォームと使用する際によくある質問は次の通りです:なぜWindowsフォームのサイズを直接ApplicationSettingsにバインドできないのか?

この制限は、他のプロパティが問題なくバインドできるときには特に苛立たしいものです。しかし、この問題に対処し、アプリケーションのウィンドウの状態やサイズをセッション間で保存する方法があります。問題の根本を探り、解決策をより明確に見ていきましょう。

制限を理解する

WindowsフォームのサイズをApplicationSettingsに直接バインドしようとすると、プロパティバインディングリストからSizeプロパティが欠けていることに気付くかもしれません。これは、フォームのサイズは単純にバインドできないためであり、最大化や最小化されたときにフォームの状態を保存する必要があるため、より多くのコンテキストが必要になります。

明示的な処理が必要な理由

  • 状態を復元する: サイズを直接バインドすると、フォームの状態(例:最小化または最大化されているかどうか)による変化を考慮できません。
  • 追加プロパティの使用: フォームが通常の状態でないとき、サイズはRestoreBoundsから取得する必要があり、これは単純なバインディングでは更新されません。

解決策:RestorableFormクラスの実装

この制限を効果的に回避するために、Formのサブクラスを作成します。このクラスをRestorableFormと呼びましょう。このクラスは、アプリケーションのウィンドウサイズや状態をシームレスに処理し、必要なオーバーライドやバインディングを実装します。

ステップバイステップの実装

  1. 標準のFormの代わりにRestorableFormを継承する。

  2. WindowRestoreStateへのバインディングを追加する。

    • このバインディングはウィンドウの位置と状態をキャッチして保存します。
  3. アプリケーション終了時に設定を保存する。

    • ウィンドウを閉じるときにProperties.Settings.Default.Save()を呼び出して、すべての設定が保存されるようにします。

コード例

こちらがRestorableFormクラスの簡潔な実装です:

using System;
using System.Windows.Forms;
using System.ComponentModel;
using System.Drawing;

namespace Utilities
{
    public class RestorableForm : Form, INotifyPropertyChanged
    {
        public event PropertyChangedEventHandler PropertyChanged;

        private WindowRestoreStateInfo windowRestoreState;

        [Browsable(false)] 
        [SettingsBindable(true)] 
        public WindowRestoreStateInfo WindowRestoreState
        {
            get { return windowRestoreState; }
            set
            {
                windowRestoreState = value;
                PropertyChanged?.Invoke(this, new PropertyChangedEventArgs("WindowRestoreState"));
            }
        }

        protected override void OnClosing(CancelEventArgs e)
        {
            WindowRestoreState = new WindowRestoreStateInfo
            {
                Bounds = WindowState == FormWindowState.Normal ? Bounds : RestoreBounds,
                WindowState = WindowState
            };
            base.OnClosing(e);
        }

        protected override void OnLoad(EventArgs e)
        {
            base.OnLoad(e);
            if (WindowRestoreState != null)
            {
                Bounds = ConstrainToScreen(WindowRestoreState.Bounds);
                WindowState = WindowRestoreState.WindowState;
            }
        }

        private Rectangle ConstrainToScreen(Rectangle bounds)
        {
            // 制約ロジックここに...
        }

        public class WindowRestoreStateInfo
        {
            public Rectangle Bounds { get; set; }
            public FormWindowState WindowState { get; set; }
        }
    }
}

コードの要点

  • プロパティ処理: WindowRestoreStateプロパティは位置と状態の両方をキャッチします。
  • 状態の読み込みと保存: オーバーライドされたメソッドは、閉じる際の位置の復元とウィンドウ状態の取り扱いを行います。
  • 画面制約: ConstrainToScreenメソッドは、サイズと位置を復元する際にフォームが表示領域内に収まるようにします。

さらなる学習のための参考文献

RestorableFormクラスで使用されるコンポーネントについての情報を得るには、以下のリンクも参考にしてください:

結論

WindowsフォームのSizeを直接ApplicationSettingsにバインドすることは課題を伴いますが、RestorableFormクラスを利用することで、アプリケーションがセッション間で状態を記憶することができます。明示的な状態管理を実装することで、ユーザーにとってより一貫したパーソナライズされたエクスペリエンスを提供できます。

このアプローチを用いることで、Windowsフォームのサイズと状態を効果的に管理し、ユーザーフレンドリーなアプリケーションを作成することができ、レスポンシブで直感的な使用感を実現できます。